いつか、きっと。
クスクスと鏡夜は笑い、私の頬に手を当てる。
『ほら。可愛いでしょ』
「〜〜〜っっ…」
またからかわれた。
真っ赤な顔のまま唇を突き出し、拗ねた表情を見せても鏡夜は相変わらず。
「…もうっ」
恥ずかしくて悔しくて、それでいて何だかくすぐったい。
だけど。
―――嬉しかった。
私がさっきの鏡夜の言葉や表情の中心にいたのだと思うと、素直に嬉しい。
同時に、鏡夜が愛おしくてたまらなかった。
『もう、なに?』
鏡夜が瞳を緩ませ、尋ねる。
「…熱、せっかく下がったのに」
『ははっ。そっか』
ほら。
こんな憎まれ口を叩いてしまう私でも、きっと鏡夜は本当の気持ちをわかってくれてる。