いつか、きっと。




「だいたい兄貴も楓も過保護すぎんだよ。こんなやつ、ほっておいても一人でやっていける」



「可愛い妹を心配するのは当たり前だろうが。そういうお前こそ、俺らのこと言えたもんじゃないだろ」



「は?」





な、何の話?



無意識に眉根が寄る。



えっ、と…?





「いつも皐月のこと目で追ってるだろ?」



「な…っ!」





……何、この状況。



私は何してるんだろう。



今日は確か朝早くからサクが家に来て、楓が不機嫌になりながらパンを……



………あっ。





―――ガタンガタン……





私、今電車の中にいるんだ。





「んな訳ねぇだろ!」



「あら?まさかの無自覚?」



『ははっ。気づいてなかったんだ』
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