いつか、きっと。
『―――…起きたの?皐月』
あ、鏡夜…
その声を聞いただけで、スゥーッとさっきのもやもやした気持ちが引いていく。
『外、見てごらん』
外?
そういえばさっきも、景色がどうとかサクが言ってたっけ。
「…あ、起きた?」
むっくりと起き上がった私に楓が声をかける。
それに小さく頷き、ゆっくりと視線を窓の外に向けた。
「―――わぁ…」
思わず感嘆のため息がこぼれた。
横でサクが、やっぱりガキだ。なんて失礼なことを言うけれど。
「海、だ――――……」
私の視界に映るのは、どこまでもただただ蒼い、海――――。
.