いつか、きっと。
「皐月ぃ!」
突然の大きな声に、弾かれたようにそちらを振り返った。
あ、サクだ。
腰に手を当て、踏ん反り返るように私を見下ろすサクの後ろには、ガサガサと何かを組み立てている楓の姿が。
「早く来い!」
鋭い声が飛んできて、思わず隣の鏡夜と顔を見合わせた。
『―――…怒ってるみたいだね』
「鏡夜もそう思う?」
視線を戻しサクの様子を見ると、何やら楓と話している。
ここからじゃ遠くて何を話しているかなんて、聞こえない。
「……いこっか、鏡夜」
声だけで鏡夜を促し、脱ぎ捨てたサンダルを両手に持つ。
砂に足を取られながら、急いで二人の元に向かう。