いつか、きっと。
ぽすんっ―――。
まるで布団にでも倒れ込んだかのように、軽快な音がした。
ギュッと瞳を閉じていた私の背後から、深いため息が。
「――――……何やってんだ」
あ、楓。
パチッとまぶたを押し上げると、そこには呆れ果てている楓が私の体を支えていた。
「ほんと鈍臭いな。俺がいなかったら、今頃頭ぶつけて、海どころじゃなかったぞ」
「ご、ごめんなさ…」
「気をつけろよ」
厳しく咎められ、シュン…とうなだれる。
そんな私の額を軽く小突き、小さなため息をつく楓。
「―――…母さんから」
「へ…?」
お母さん?
ぐいっと押し込まれるように、無理やり持たされた携帯を眺める。