いつか、きっと。
『ははっ。弟と親友に妬くなんて、カッコ悪いな』
そして、鏡夜の指先がスッと動いて唇に触れた。
ビクッと肩を震わせる私をよそに、鏡夜は愛撫するかのように優しく唇を撫でる。
『でもね。あの二人だから皐月を任せれる』
「きょ―…」
話そうとした私の言葉を遮り、鏡夜の唇が私の額に寄せられた。
一瞬目をぱちくりとさせ、顔を真っ赤に染める私を見て、優しく微笑む鏡夜。
『行っておいで。皐月』
「ぇっ…?」
『ほら、楓と朔夜が皐月を待ってるよ』
そう言われ、首だけを捻れば、遠くの方でこちらを見つめている二人。
だけど―…
「嫌…」
このまま行きたくなんかない。
首を横に振った私の耳元で、鏡夜は囁く。