いつか、きっと。
ううん、気がするんじゃない。
きっと響いてない。
だって。
『――――…俺はいいよ』
こうなることが、最初からわかってたから。
鏡夜ならきっと、こう答えると思ったから。
なのに。
「…どうして?」
今日の私は何だか意地悪だ。
力のない言葉をかけて、曖昧な答えを追及するなんて。
鏡夜はまっすぐに私を見つめた。
私も逸らすことなく、鏡夜だけを視界に映す。
じっと見つめ合う私たちには、痛いくらいの沈黙が下りる。
まるで私たちだけの空間が存在してるみたい。
まっすぐすぎる鏡夜の瞳に、先に視線を緩めたのは私の方だった。
「―――…ごめん」
小さくもらすと、一度深く息を吸った。