いつか、きっと。
―――鏡夜……
心の中の私が叫ぶ。
―――怖い、怖いよ…!
ガタガタと震え出す体を押さえ付け、顔を覆った。
そして、ツゥ――とこぼれた雫が、指のすき間から伝い、落ちた。
刹那―――。
『―――皐月?』
え…?
ふと頭を擡(もた)げ、声のした方へ振り返った私の視界が、急に光り始めた。
まぶしすぎるほどの白い光に包み込まれる。
――――きょぅ…や……?
その光は優しく、温かかった。
そう、まるで鏡夜に抱かれているように。
スッ―と意識が遠退くのを感じ、私はゆっくりと目を閉じた――。
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