いつか、きっと。
次に私が目を開けた時、私は人混みの中に立っていた。
ガヤガヤとした喧騒の中、ぽつんと佇む私。
―――何…?どうなってるの?
「―――今やっと終わったよ。うん、少し話が長引いてね」
訳もわからないままの私の上から聞こえてきた声に、勢いよく隣を見た。
―――鏡夜…
夕日に髪を紅く染めた鏡夜がいた。
携帯を片手に立っている鏡夜。
鏡夜が少し動く度に共に揺れる青いストラップは、私とお揃い。
旅行のお土産にと買ってきた私に、嫌な顔ひとつせずに喜んでくれた鏡夜。
やっぱりこの人を好きになって良かった、そう思った瞬間だった。
思わず緩んでしまう頬。
手を伸ばし、鏡夜に気づいてもらおうとした瞬間、鏡夜が歩き出した。
―――見れば、青信号。
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