いつか、きっと。
視界の先に見えたのは―…
ビルの上に設置された電光掲示板の、
【6月18日】
の文字。
まさか…
まさか…そんなことあるはずない。
ありえない、よ…
目に映るものを心が拒絶する。
―――違う、違うよ…そんな、こと……
小さく首を振るけれど、視線は絶対に“あの文字”からは離れてくれなくて。
「いつもみたいに二人でお祝いしよっか、皐月」
嬉しそうに声を弾ませる鏡夜の声は、耳を塞いでも私の中に響いてきて。
私の心に鋭く爪を立てた。
――――ぃ、や……
心が、痛い。
崩れ落ちる私の体は、道行く人々の体をすり抜けていく。
そして、気づく。
聞き覚えのある会話。
見上げた先の日付。
そのすべてが一本の線で繋がった。
――――私は、“あの日”の中にいる。
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