いつか、きっと。
足をもつれさせながら、必死に鏡夜を追った。
信号がチカチカと点滅を始める。
早く早く…!
追いつかなきゃ…!
――――行っちゃ、ダメ…っ!
行かないで…!
声の限り叫んでも、私の声は鏡夜には届かない。
――――ダメ…!そっちは…!
伸ばした私の手は、あと少しのところで鏡夜に届かずに空を切る。
そんな私の横を、目の前から走ってきた、野球帽を被った小さな男の子が駆けていく。
―――その瞬間。
信号が……赤に変わった。
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