いつか、きっと。




「みんなでね、お見舞いに行こうかっていう話もしてたんだよ?」



「馬鹿。そんなの迷惑に決まってるだろ」





一気に緊張がほぐれ、思い思いに話し始める。





「何よ!迷惑がられるのが怖かっただけでしょ!」



「は!?んなことねぇよ!」





そして、ギャーギャーと騒ぎ始める始末。



いつもなら一緒に笑えているはずなのに、どうしてもそんな気にはなれなかった。




やっぱり、他人の気遣いは苦手。



窮屈な心地がして仕方ない。




そっと輪から抜け出そうとした私の耳に、ある言葉が飛び込んできた。





「……“白川先輩”もきっと辛かっただろうな」






―――えっ……?




ぽつりとつぶやくように言葉を発した相手の顔を凝視する。
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