いつか、きっと。
すれ違い、迷い
――――――――……
ふと、目が覚める。
パチッとまぶたを押し上げると、肩肘を立てて、今にも起き上がろうとしている鏡夜と目が合った。
少し驚いたように目を見開き、困ったように鏡夜が笑う。
『――――…おはよう、皐月』
それに返事はせずに、私はじっと鏡夜を見つめた。
半分開けた窓から吹いてくる風は、まだ朝の匂い。
それも早朝の、サラっとした夏の匂いだった。
「……どこ、行くの?」
そう尋ねる私の声は震えていた。
………最近、鏡夜はふらりとどこかへ行ってしまう。
朝目が覚めると、確かに一緒に寝たはずの場所に、鏡夜はいないんだ。
少し不思議に思ったけれど、どこか散歩に出かけてるんだけだって、すぐに帰ってくるって。
そう、信じてた。