いつか、きっと。
あぁ―――。
やっと…
『皐月』
帰って来てくれた――――……
あんなに眠たかった徹夜明けの体も、一瞬で元気になるんだから不思議。
こぼれる笑顔を隠しもせずに、枕を抱きしめたまま立ち上がり、振り返った。
その視線の先にいるのは…
「鏡夜…………」
愛しくて愛しくてたまらない人―――。
いつかの日のように、優しい笑みを浮かべた鏡夜が立っていた。
まるであの日のように、温かい声で私の名前を呼んで。
そう、違うことと言えばただひとつだけ。
「――――お帰りなさい」
私が―――笑っていること。