いつか、きっと。
『待って!!』
――――聞いてほしいんだ!
鋭い声に、私は足を踏み出したまま固まった。
こんな声、聞いたこと、ない。
ゆっくりと息を吸った。
『……どれだけ気持ちを投げ捨てたところで、人は繋がりが欲しいんだよ。だから相手のために何かしなくちゃ、してやらなくちゃって思うんだ』
俺もそうだよ。
鏡夜はそう言って寂しそうに笑った。
『ずっと、皐月のためだと思ってた。俺がいなくちゃ、俺が守ってやらなくちゃって』
「きょ…」
『でも、違ったんだ。皐月は強かった。俺がいなくても皐月は笑ってられる』
違う。
そうじゃないよ。
否定するようにブンブンと首を振る。
同時に瞳を熱く刺激してくるのを、吹き飛ばすために。