いつか、きっと。
『幸せにしてやりたい、俺の手で、皐月を幸せに…』
「鏡夜…ッ!」
私は小さく叫んで、鏡夜の体に飛び込んだ。
鏡夜に触れられないなんて、もう私の頭にはなかった。
ただ、鏡夜の傍に行きたい…
それだけだった。
『皐月…』
ふわりと鏡夜の腕が私を抱きしめた。
『皐月…』
私の首筋に顔を埋める鏡夜の嗚咽が耳元で聞こえる。
それを聞く私も、嗚咽を堪え切れない。
かき抱くように、鏡夜は私を強く強く抱きしめた。
『ごめん、ごめんな…』
何度も何度も謝る鏡夜に、私はただ頷くしか出来ない。