いつか、きっと。
いつか、きっと。
私たちの涙が止まった頃には、傾きかけていた陽はもうあと僅かしか顔を見せていなかった。
泣き疲れた私たちは手を繋ぎ、木の下で横になった。
サワサワと風が私たちの間を通り抜けていく。
「鏡夜…」
『ん?』
「…目が痛い」
『俺もだよ』
そっと鏡夜の手が伸びてきて、私のまぶたに優しく触れた。
「鏡夜の手、冷たくて気持ちいい…」
『分かるの?』
「ん…何となく」
『そっか』
ふわりと鏡夜が微笑み、つられて私も笑った。
穏やかな時間が二人を包み込む。