いつか、きっと。
『どうすれば、笑ってくれるの?』
鏡夜はそう尋ねながら、頬を伝う涙を唇で拭っていく。
地面が冷たく濡れた。
『俺はどうすればいい?』
どうすればいいんだろう。
自分でも泣いている理由を、うまく説明出来ない。
ふるふると首を振り、私は言った。
「抱きしめて…」
私の言葉に鏡夜は頷き、そっと私の肩を抱いた。
「鏡夜…」
『なに?』
「私のこと、好き…?」
『うん。好きだよ』
突然の質問にも関わらず、サラリと答えてくれた鏡夜に、私は笑った。
「私も、好き…」
『うん…ありがとう』
はにかんだように鏡夜も笑った。