いつか、きっと。




『この先皐月が大切な人と出会って、結婚して、子供も生まれて、孫までできて』





あぁ、どうして。



鏡夜、鏡夜……





『“皐月”っていう人生を終えたその時は―…』





スッ…と鏡夜の瞳から一筋の涙が流れた。



鏡夜の瞳に映った私の頬にも、同じように、涙が伝う。





―――――鏡夜……








『今度こそ、一緒になろう』







それは、遠い遠い、未来への約束だった―――。







こくこくと頷く。



何度も何度も頷いた。





『絶対に、今度こそ皐月を守る』





そう言って、鏡夜はゆっくりと私から体を離した。



ふわりと懐かしい匂いが香る。
< 354 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop