いつか、きっと。









――――おはよう、皐月。





――――今日はどこに行こうか?





――――おいで、皐月。





――――皐月、誕生日おめでとう。





――――その服、皐月によく似合ってるよ。





――――ほら、雨降ってきたから。一緒に帰ろうと思って。





――――あんまり可愛いことばっかしてると、キスするよ?





――――好きだよ、皐月。





――――皐月。








『皐月』







目を閉じれば浮かんでくる、鏡夜との思い出。



大切な、思い出。



忘れない。



忘れたりなんかしない。





「鏡夜…っ……」





あなたと出会って、私は人を愛する幸せを知りました。



人に愛される喜びを知りました。







鏡夜………







「またね………」





また会うその日まで。



もう振り向かない。



前だけを向いて、歩いていくよ。



だからどうか、見守っていて下さい。






「「皐月……っ!」」






あなたの愛した人たちを。
< 356 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop