いつか、きっと。
顔を上げ、壁にかかっている時計を見ると、ちょうど時計の針は11時30分を指していた。
もうすぐお母さんも帰ってくるだろう。
それまで寝ていようかな……
階段に足をかける。
足を動かしながら、羽織っていたカーディガンを脱いだ。
こんな暑い時期にカーディガンを着るなんてどうかしてる。
きっと鏡夜だってそう言う。
―――“体、壊すよ?”
なんて。
鏡夜の表情や声色まで想像できる。
でも、私がこう答えたらどんな反応をするんだろう。
全く想像できないや。
怒る?
それとも、びっくりした後に少し笑うのかな?
「―――鏡夜のせいだよ…」
今、それを知る術を私は何も持っていない。
ベッドに倒れ込んだ。