いつか、きっと。




そう、鏡夜が悪いんだから。



私が寒がりなこと知ってるでしょう?



冬になったら、家から一歩も出ようとしないことも。



夏でも長袖を着ることも。





「馬鹿………」





昔から寒がりだった私。



そんな私を無理やり連れ出して、連れ回したのは鏡夜でしょう?



本当は嫌だったんだから。


手はかじかむし、頬は真っ赤になるし。






……でも、本当の本当はね。





「鏡夜………寒いよ……」





鏡夜が私を抱きしめて、私を包んでくれたから。



優しく温めてくれたから。




だから、ちょっとは寒いのもいいかなって思ってたんだよ?



あんなに寒がりだった私が。





だけど、今は嫌い。



前より、もっともっともっと。




――――嫌い。
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