いつか、きっと。
「何で私をっ、私を置いてったのよぅ…!」
どうして1人で先に行ってしまったの?
私はまだここにいるのに。
ねぇ、今日は私たちの大切な日だよ?
忘れたの?
泣いて、泣いて、ずっとあなただけを待っているのに。
ほら、早く。
涙を拭いに来て。
いつもみたいに、ね?
「―――きょう、やあっ……」
ばか鏡夜………
『―――やっと泣いてくれた』
突然耳に飛び込んできた声。
ハッと息をつめる。
心臓がどくん…と大きく動いたきり、働きを失ったように止まった。
『良かった…でもほら。泣かないで、皐月』
体が石のように固まってしまった私をほぐすように、優しく響き渡る声。
……知ってる。
私はこの声を―…
「きょぅや………?」
震える声で呼ぶ名の人が、きっとそこに―…
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