いつか、きっと。




“生きてる”




そう実感するのが、嫌だから。



朝、目が覚める度に、自分が生きてることを思い知らされる。





―――グー、キュルル…





……腹の虫にも。



気持ちとは裏腹な体の正直な反応に、渋々と顔を出す。




見慣れた黄色いカーテン。



さわさわと揺れるレースの先に見える青い空を見つめる。




雨だったら良かったのに。




そんなことを思いながら、肘をついて上半身を起こした。




ハンガーにかけてある、白いワイシャツに腕を通し、ボタンをのろのろとかけていく。





「………っふあ…」





あくびを噛み締めながらスカートを履いて、紺色のカーディガンを羽織った。
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