いつか、きっと。
「そんな笑わなくたっていいじゃない…!」
私だって似合ってないことくらい、ちゃんと分かってる。
だけど、いくらなんでもひど過ぎる。
「楓の馬鹿っ!」
「おー、悪い悪い。かわいいよ、皐月ちゃん」
「〜〜っもう!!」
からかわれてる…!
何を言い返してやろうかと思案している私の耳に、また笑い声が聞こえた。
「っくく!似合ってねぇ……」
「――サク…」
いつのまにか楓の横に立っていたサク。
背が高いサクは、私とは違い、新しい制服を完璧に着こなしていた。
ストレートなサクの言葉に、思わず涙腺が緩んだ。
ひどい……
そんな言わなくたっていいのに…
「皐月。やめといた方がいいんじゃないか」
「似合ってねぇし」
くくくっと楓とサクが喉を震わせて笑う。