いつか、きっと。
「〜っぅ……」
笑うなんてひどいよ…
楓とサクの馬鹿っ…
「―――皐月」
しゃくりあげる私にふと、優しい声で名を呼ばれた。
ピタッと動きを止める。
「………っ…?」
そして、恐る恐る顔を上げれば、歪んだ視界の先に愛しい人が立っていた。
「――きょ…や…」
「おはよう、皐月」
そうやってにっこりと微笑むのは、鏡夜。
瞬間、私は鏡夜の体に飛びついた。
勢いよく飛び込んできた私を、優しく、だけどしっかりと鏡夜が受け止める。
「〜〜っきょうゃぁ…」
ぽんぽんと優しく頭を撫でられる。
その心地好いリズムと、鏡夜の体温に、私は心の底から安堵した。
キュゥッ…とすがりつくように、鏡夜の体に腕を回す。