いつか、きっと。
こくこくと何度も頷くと、鏡夜が小さく笑う。
そして、私の耳に唇を寄せて囁いた。
「―――好きだよ、皐月…」
………ずるい。
私が先に言いたかったのに……
鏡夜はいつも先回りして、私を乱す。
いつもだったら拗ねる私だけど、今日はもっと鏡夜が欲しくなって。
「も、1回……」
「ん?」
「…もぅ1回…言って…?」
顔を鏡夜から離し、鏡夜を見つめる。
フッと破顔した鏡夜は、私の涙を唇で掬った。
「…っん……」
そして、軽く私の唇にキスを落とした後、鏡夜は笑った。
「…好きだよ」
「……っ、…」
幸せだった―…
好きな人に好きだと言われる以上の幸せって、この世に存在するんだろうか。