いつか、きっと。
「行こう、皐月。走れる?」
「うん!」
2人同時に走りだした。
繋がれた手の先には、私の大好きな鏡夜がいて。
「お前らのせいだからな!何で俺たちまで…!」
「ははっ!ごめん、楓。でもしょうがないでしょ。皐月が可愛いかったんだから」
「きょっ…!?」
「バカップル………」
大好きな楓とサクがいて。
本当に幸せだった。
幸せだと、自分でも感じ取れるくらいに幸せだった。
これからが楽しみで仕方なくて。
「サク!私たち、同じクラスかな?」
「さぁな」
「俺達も同じクラスだったらいいね、楓」
「おう!」
私たちは走った。
私たちの未来は、きっと輝いていると信じて。
私たちはずっと一緒に笑っていられると信じて。
春の風が桜の花びらを巻き上げ、走る私たちを包み込んでいた―…
* * * * * * *
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