いつか、きっと。




涙を乱暴に袖で拭き、スッキリとした視界で鏡夜を見つめた。




黒くて柔らかい髪。



髪と同様、黒く澄んだ瞳に優しく微笑んだ口元。



そして、





『皐月』





私の名を呼ぶ甘い声。



何も変わっていない。



私が…私が愛した鏡夜そのままだった。





『学校はサボっちゃダメだよ』





ほら、こんな小言を言うとこも。



まるで変わってない。





「き、今日は行ったもん…」



『知ってるよ。見てたからね』





えっ…?



何度かぱちぱちと瞬きを繰り返す。





「見てた、の…?」





私の質問に小さく頷く鏡夜。
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