いつか、きっと。
「…うん」
柔らかく微笑んで私を見上げている鏡夜に駆け寄る。
体を包む風が、朝よりも暖かい。
それはきっと、鏡夜が傍にいるから。
顔を見合わせて笑い、2人並んで歩き始めた背中に、皐月?と声がかけられた。
―――この声は……
パッと振り返ると、買物袋を両手にさげたお母さんが立っていた。
驚いたような顔をしているお母さんに、本当なら今はまだ学校だということに気づく。
バツのわるい顔でお母さんを見つめる。
「どうしたの?学校は?」
「ぇ、ぁ…」
どうしよう……