いつか、きっと。
正直に理由を話したら、またお母さんに心配をかけてしまう。
でも、だからといって良い言い訳が出てこない。
視線を泳がせ、必死で理由を考える私の横で必死で笑いを堪えている鏡夜。
人事だと思って…
キッと睨みあげる。
『ごめん、ごめん』
口元に手を当てたまま鏡夜が謝る。
もう……
何がそんなにおもしろいの?
鏡夜に気を取られていると、いつのまにかお母さんが目の前で立っていた。
「気をつけてね」
「……ぇっ?」
「暗くなる前に帰ってらっしゃい」
淡々とそう告げると、お母さんは私たちに背を向けた。
隣にいる鏡夜と顔を見合わせる。