いつか、きっと。
「鏡夜……っ…」
『うん。分かってる。ちゃんと話すよ』
私の頭をゆっくりと撫でる鏡夜の手。
ギュッと拳を固く握った。
『とりあえず座ろう。…おいで、皐月』
私に軽く微笑み、鏡夜が木の下に腰を下ろした。
ぽんぽんと鏡夜は自分の膝の間を叩く。
いつものように鏡夜の中に体を滑り込ませると、私の体に鏡夜の腕が回された。
『やっぱり皐月を抱きしめると安心する』
耳元で鏡夜が笑う。
それによって少しだけ体の強張りがほどけ、小さく息をつく。
だけど、どうしても不安は取り除かれない。
鏡夜の話を聞かないと。
それはきっと、取り除かれないんだ。