いつか、きっと。
『……皐月』
肩を震わす私。
いつもなら鏡夜の優しい手の平が撫でるのに、今日は何も感じない。
それが余計に胸を痛くする。
「ばかっ!鏡夜のばかっ!」
ただの八つ当たりだ。
鏡夜は何も悪くない。
それが分かっているから、ひどく虚しい。
「ずっと泣きたかったんだから…!」
『分かってる』
「分かってないっ!!」
私の叫び声に驚いた鳥たちが、バサバサと慌てて飛んでいった。
自分でもびっくりするくらいの叫び声に、息が乱れる。
『皐月』
「……鏡夜は何も分かってない」
自分が止められない。
鏡夜に当たるのは、お門違いだ。
だけど、止められないよ…