いつか、きっと。
『けどね。もし時間を空けずに皐月の前に姿を現してしまったら?』
時間――?
鏡夜の言わんとしていることが、全く分からない。
小さくしゃくりあげ、黙ったままの私に、鏡夜は言葉を付け加える。
『皐月はどう思う?俺がすぐに姿を現したら』
どう思う?って…
そんなの、嬉しいに決まってる。
あぁ、やっぱり鏡夜は生き………
「っぁ…」
ハッとして顔を上げる。
勢いよく振り向けば、鏡夜の優しく澄んだ黒い瞳があって。
『…もう分かった?俺がすぐに会いに来なかった理由』
そう尋ねる鏡夜の表情はどこか寂しげで。
胸の奥がずきずきと痛んだ。