天神学園高等部の奇怪な面々
「け、啓太!?」

助けに来た啓太に驚く間もなく。

「頑張って!今引き上げますから!」

両手でしっかりとアリスカの腕を掴み、啓太は全身の力を込める。

「啓太、わしも手伝おう」

後を追ってきたアスラもフェンスを乗り越え、アリスカの腕を掴む。

男子生徒二人の力があれば、アリスカの救出は容易だった。

彼女は何とか転落する事なく、屋上へと引き上げられる。

「大丈夫ですか?アリスカさん」

「う、うん…」

そう言いつつも肩を押さえるアリスカ。

片腕でぶら下がっている間に脱臼した部分が痛む。

顔を顰める彼女に、啓太もすぐに気づいた。

「リョウタさん」

彼の呼びかけと同時に。

「お嬢さん、少し肩を見せてご覧」

穏やかな声で、啓太…いや、紳士的な男性の人格がアリスカに語りかけた。

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