天神学園高等部の奇怪な面々
月が叫ぶ。

「今アスラ君の思考を読んだわ!彼は犯罪組織の人間じゃない!彼の正体は…」

更にアスラの思考の深層を読もうとして。

「あっ…!」

その思考が遮断された。

アスラが意識的に思考をシャットアウトしたのだ。

「…油断も隙もないのぅ、月。いつの間に校内に戻ってきたんじゃ…」

振り向いたアスラは溜息をつきながら、アリスカの首から手を放す。

「…アスラ…?」

「ちと悪ふざけが過ぎたかの?」

拍子抜けしたようなアリスカに向かって、アスラが言う。

「じゃが、お前もわしに銃口を向けるような真似をしたんじゃ。これくらいのお灸は据えられて当然じゃろ」

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