同居の秘密。【完】
勢いをつけ、立ち上がり、水を持って寝室へと入る。
ぽけー、と虚ろな表情をしている翔君は手のひらに薬を持っていた。
水を渡すと一呼吸をし、薬を飲み込んだ。
そんな姿が可愛い。
「……ケホ。飲めたぞ、千春どうぞ」
翔君じゃないような笑顔をしながら、翔君は自分の横をポンポンと叩いた。
隣に来いという合図だ。
その行動を見るだけで私は赤面してしまう。
それと同時に迷った。
このまま翔君と一緒に寝ていいのだろうか。
翔君が起きたら逆にビックリするのではないか。
そう考えてしまう。