同居の秘密。【完】
「そんなに怖がらないでください。私は翔様の付き人の波留と申します。ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
波留、という男の人は上品にお辞儀をする。
お辞儀が綺麗だと思ったのは初めてだ。
「あ、頭を上げてください!ごめんなさい…、不審者と勘違いしてしまって…」
私も慌てて頭を下げる。
「いいえ、突然入ってきた私がいけないのです。こちらこそ申し訳ありません」
2人でお辞儀をし合って変な光景だ。
不意に笑みが溢れる。