同居の秘密。【完】
さあね、って…。
餓鬼かって。
『それよりも医者から連絡が来ないんだが。さすがにもう妊娠の報告が来てもいいはずなんだが』
「………」
親父はまるですべてをわかっているような言い振りで俺に言う。
それに俺は何も答えない。
『……早くしろ。子どもを産まなければ…わかっているだろうな?』
「……わかってる。それじゃ、切るわ」
俺は親父の返事も待たずに電話を切った。
切ったと同時に勝手に電源が落ちてしまった。
多分、これからずっとこの携帯は使えない。
これだけは確信している。