同居の秘密。【完】


唖然としている私に翔君は歩きながら口を開いた。


「こんなところで何を話したって落ち着かないだろう。家に戻ろう」


私の方を見てはいないが、ここから見える翔君の目は何かを語っていた。


私を心配している何かと、他のことを思い詰めている目。


私は…ただ黙っていることしか出来なかった──。



部屋に着き、リビングへ入ると、ゆっくり私の体をソファーに下ろした。


下ろされたと同時に安心感が戻ってくる。



 
< 279 / 544 >

この作品をシェア

pagetop