同居の秘密。【完】
唖然としている私に翔君は歩きながら口を開いた。
「こんなところで何を話したって落ち着かないだろう。家に戻ろう」
私の方を見てはいないが、ここから見える翔君の目は何かを語っていた。
私を心配している何かと、他のことを思い詰めている目。
私は…ただ黙っていることしか出来なかった──。
部屋に着き、リビングへ入ると、ゆっくり私の体をソファーに下ろした。
下ろされたと同時に安心感が戻ってくる。