同居の秘密。【完】
「翔様、落ち着いて下さい」
まるで波留みたいに言う真島。
掴まれてる腕を振りほどき、また親父に目を向ける。
「…アンタ、最低だな」
低い声で言い放つと親父は鼻で微かに笑った。
「何かと思えば圭介の事か。アイツには程々にしろって言ったんだけどな」
クスクスと他人事のように笑う親父にまた頭に血が上る。
圭介…って千春の元カレの事か。
やっぱり親父が黒幕か…っ。
殴りたい衝動を抑えるために自分の右手首を左手で押さえる。