同居の秘密。【完】
「あの頑固な親父でも、子どもが出来なければ困る。だから、俺達が産まなければ諦めて、お互い自由になれるはずだ」
そう言って翔さんはソファーに座った。
その姿だけでも絵になる。
…そんなことまで考えていたんだ。
きっと頭がいいんだろうなぁ…。
なんて思っていると、急に睡魔が襲ってきた。
この数時間で頭を使いすぎたみたい。
歩く余裕なんて私にはなかったんだ。
私はその場に崩れ落ちようとした。
しかし、痛みという衝撃はない。
うっすら目を開けると、無表情の翔さんが居た。
…あれ…?どうして…。
翔さんが何かを叫んでいたが、私の意識はそこで途切れてしまった───……。