同居の秘密。【完】
少し笑い合った後、すぅちゃんは翔君が居る方向に顔を向けた。
「翔も、本当にごめんね。あの時ね、彼氏と喧嘩してて精神的におかしくなってて、翔の優しさに甘えてたの。本当は知ってたんでしょ…?私に彼氏が居たこと」
え…?
すぅちゃんの言葉に私は翔君の方を向く。
翔君の口元が微かに開く。
「…あぁ、知ってたよ。あのときの俺は餓鬼だったから信じたくなかったんだと思う。今思えばお前、魔性の女だな」
「もう魔性でも何でもいいよ。本当にごめんね。…私が言うのも何だけど、浮気したら許さないんだから。千春を泣かしたらもっと許さないんだから」
ビシッと人差し指を翔君に向けながらすぅちゃんは言った。
その言葉に翔君も微かに笑いながら答える。