同居の秘密。【完】


少し気まずい雰囲気がカウンターに広がる。


周りの客の声が鮮明に聞こえた。


すると、思いもしない発言を昇が口にした。


「……わかるわけねぇじゃん…」


「え?」


低く小さな声に聞き返してしまった。


下を向いていた昇の顔が勢い良く上を向き、俺を見つめながら言う。


「わかるわけねぇじゃんって。 だってお前、俺に何にも話してくれねぇし」


昇の真剣な目に、目が逸らせない。


 
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