同居の秘密。【完】
「翔さんは…それでいいんですか…?私はそうしたいですけど、会社とか…親…とか」
やっぱり問題はそれだ。
こいつには親の収入が無くなるという条件が付いてくる。
俺には会社が手に入らなく、親父に親権を脱せられる。
だけど──……
「諦めるのを待つ」
これしか方法は、ない。
俺は、自分の考えを東原千春に話始める。
「あの頑固な親父でも、子どもが出来なければ困る。だから、俺達が産まなければ諦めて、お互い自由になれるはずだ」
俺は、ネクタイを緩めながらソファーに座った。
俺は、東原千春の様子を見ようと、チラッと見てみると、目の焦点が定まっておらず、フラフラしている。
俺は、慌てて東原千春のそばに近寄ると、いきなり崩れ落ちた。
間一髪、俺が体を支えたから床に倒れ込まずにすんだ。