同居の秘密。【完】
私は奥へ進もうと一本道を歩こうとすると、色んな店の中から沢山の人が出てきて、私に頭を下げてきた。
あまりに突然な事にまばたきが多くなる。
「…え、ちょっと…」
「東原さん、今度私の店へ来てください」
「私の店にも。お待ちしております」
その店のシェフらが私に笑顔でそう言う。
この人達は私の事を知っているんだ…。だけど…、頭を下げられて敬語を使われるほど私は偉くないのに…。
「頭を上げてください…。今度…行きますね…」
急になんだか恥ずかしくなり、早歩きでその場を走り去る。
1番端にあるプールに着くまでに何人に頭を下げられたか。