同居の秘密。【完】
………罪悪感。
「ご、ごめんなさい…。ね、寝てました」
おどおどしながら私は本当のことを翔さんに話した。
下を向いているから翔さんが今、どんな顔をしているかわからない。
多分…いや、絶対に怒っている。
怒鳴られる、と思い目をギュッと瞑ると、私の想像とは裏腹にお姫様抱っこをしたまま翔さんは陸へと歩き始めた。
地面にゆっくり私を置く。
唖然としている私に対して、翔さんも水から陸へと上がった。
「…プールで寝るとか。ほら、風邪引くから帰るぞ」
微かな笑みを浮かべて、先ほど脱いだスーツを私に掛けてくれた。
不意に私の心臓が跳ねる。
濡れた服のまま翔さんはプールから出ていった。それに続いて自分の上着を持って、私も着いていく。