【短編】『おもいで文集』
マンションのエレベータのボタンを押す。

どんどん外に近くなる。

あの場所に近付く。


3…2…1

一階に着いた。


エレベータを降りると朝のあの場所が見えた。

その場所へ足が向く。

マンションの入り口の自動ドアが開くと段ボール箱を抱えてひたすら真っ直ぐな通りを駆け抜けた。



朝、彼に言った『死ね』が蘇った。
なぜとっさの言葉がそれだったのだろう。

未南子は少し考えた。

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