【短編】『おもいで文集』

―5年越し…

山手線を降りて、平日なのに私より若い人で溢れてる。


駅からそんなに遠くないカフェに入った。いつも入るカフェ。


『アイスコーヒー1つ』

『少々お待ちください』

この店員は朝なんもなく普通に出勤したんだろう。
私と違って。

そう思うと羨ましかった。


取りあえず席に着いた。窓側のテーブル。

一人で俯いて。

―何をしに来たんだろう…

未だに自分でもわからない。

仕方なく飽きるまで居ようと思う。


今日は行き当たりばったりでも良いよね。


そしてアイスコーヒーが来た。


砂糖をちょっと入れて小さなスプーンでかき混ぜた。


コーヒー…そういえば今日2回目だったけ?


違うの頼めば良かったかな。


まっいいか。



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