【短編】『おもいで文集』
時間はもう七時を過ぎていた気がする。

『家帰らなくてイイのか?』

『いいの。この時間を終わらせたくないよ』

『でももう外は暗いし、明日学校あるし』


結局、無理矢理帰された。

でもその日から凄く親しくなり、何でも話すようになった。

学校のこと。

勉強のこと。

家族のこと。




そんな時期に私は事故で親を亡くした。
ふつうに朝一緒にご飯を食べて、お父さんと駅まで一緒に行ったのに。

お母さんがお父さんの会社に迎えに行って、家に向かってる途中だったらしい。

その時間、私は学校にいた。
放課後だった。

教室で1人、課題をやっている時に突然担任が凄い形相で入ってきたのだ。

『…ご両親が』

――亡くなった。



偶然、その時に教室に蓮が入ってきた。

担任の言葉を一緒に聞いてしまった。
< 16 / 30 >

この作品をシェア

pagetop